2018.10.23

不動産の賃貸事情

住居の種類、商習慣、契約の流れについて

-住宅の種類-

当社では大きく3つのパターンに分類してご説明しています。
(一部例外も含まれます)

①法人が貸主で、同法人が建物の運営管理をするサービスアパートメント
②個人が貸主で、法人が建物の運営管理をするコンドミニアム(分譲マンションタイプ)
③個人が貸主で、個人が建物の運営管理をするアパートメント

①は1区で具体例を挙げると Saigon Sky Garden(サイゴンスカイガーデン)Somerset Ho Chi Minh(サマセットホーチミン) です。
物件により多少の差はありますが、家具家電、細かい食器類等が全て用意されています。
また水道光熱費やインターネット費用、メイドさんの清掃サービス等が賃料に含まれています。

②はBinh Thanh 区にある Vinhomes Central Park(ビンホームズセントラルパーク)
基本的に水道光熱費やインターネット費用は別途となりますが、家賃を上げる事で①に近い形にする事もできます。

③が Le Thanh Ton(レタントン)や 18A Nguyen Thi Minh Khai(グエンティーミンカイ) などにある比較的規模の小さなサービスアパートメントになります。
家具家電、サービス内容は①と近いアパートメントが多いです。

賃料は①②③の順に安価になる傾向にあります。

法人名義で契約を行う場合、企業様によっては①でしか契約できないなどの規定がございます。

-契約期間と早期解約による違約金-

日本では賃貸借契約期間について、
主に関東では、2ヵ年の契約期間で更新料は1ヵ月分、
1ヵ月前の解約予告で退去可能というのがスタンダードですが、
ホーチミンでは、先のパターンによって賃貸条件が異なります。

例えば①と③においては短期利用(数日~3ヵ月など最低契約期間が定められています)が行える為、出張者用として選択が可能です。
但し、物件によっては契約期間で賃料設定が異なり、短期の場合には賃料単価が高いケースがあるので、この点は注意が必要です。

②については、現在は慣習として、1ヵ年の契約期間で貸主側の更新手数料は無料、
途中解約はデポジット(日本で言う敷金)の没収(途中解約は原則不可)というのがスタンダードになっています。
その為、出張者用の短期利用としては、選択が難しいタイプとなります。
(但し、一部貸主で短期利用受入を行っているケースもあります)

その為、ホーチミンに初駐在となり、
まずは短期契約で当地の住環境を確認した上で最終的な住居を決定したい
という意向があるのであれば、選択肢としては①と③が中心となってきます。

-契約名義人-

賃貸借契約の借主名義にも注意が必要です。(特に新規進出企業様の場合)
短期出張者用の受入目的に、現地法人で賃貸借契約を行うと、
税務調査の際に指摘が入る可能性があります。
その為、契約締結前に会計・税理事務所等に契約名義人について
必ず摺合せを行われることをお勧め致します。
名義人によりTAXインボイスの必要有無も変わってくる事があります。

-物件の選定-

上記のような項目を確認し、不動産会社の担当者とご内覧頂く物件を絞っていきます。
上記以外の項目で主に物件選定となる材料は以下のようなものです。

・お子様を通わせる幼稚園、学校
お住まいの物件から幼稚園や学校までのスクールバスが出ているかは重要なポイントになります。

・オフィスや工場などのお勤め先
徒歩やバイクタクシー、タクシー、乗り合いの社用車等の方法でお勤め先に行かれる方が多いです。
通勤方法やお勤め先を考えながらエリアの選定を行います。

・ペットの飼育や、バスタブ付きのお部屋、スーパーが徒歩圏内にあるなど
ベトナムではバスタブが無い物件も多いです。

-お申込みとお部屋の取り押さえ

お部屋が決まったら、お部屋を取り押さえるためにデポジット(日本で言う敷金)の支払いを行う必要があります。
デポジットは①③であれば家賃1ヶ月~2ヶ月。②であれば家賃の2ヶ月分が一般的です。
契約締結前にキャンセルをした場合、こちらのデポジットは返金されませんが、契約に至った際はデポジット(敷金)として扱われ、ご退去の際に返金がされます。

貸主によっては、少額の手付金を支払いお部屋を抑える事も可能です。
ここで言う手付金とはデポジットとは別のお金であり、契約締結とデポジットの支払いがされた後に、返金がされるものです。
他にも、場合によってはデポジットも手付金の支払いが無くても、しばらくの間お部屋を抑える事が可能な物件もございます。ただし、契約締結は迅速に進めて行く必要があります。

法人契約である場合、社内の承認が降りるのに時間が掛かり、社内承認中に別の人にお部屋を抑えられてしまうケースも起こりやすいため、お部屋を抑えるためにどのような手段を取るのか、事前に不動産会社の担当者と相談をしておくのが良いです。

-契約書の確認-

①③では、貸主法人が用意する契約書の雛形があり、基本的にはその雛形をそのまま利用します。
②では、仲介を行う不動産会社が用意する契約書の雛形を使用します。

法人名義で契約する場合は、契約書の確認や稟議に非常に時間が掛かるため、事前の根回しや確認は重要になります。

-契約締結-

契約書の締結を行い、未払いの前家賃等あれば支払いを済ませます。
その後、お部屋の引き渡しになります。