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2021.08.03
【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.12《体外受精:移植周期》
前回は採卵当日の流れについて具体的に投稿しました。
今回は採卵後の受診や受精確認について書いていこうと思います。
移植周期
さて、採卵も無事に終了し「移植周期」へと突入です。
体外受精の大まかな流れは以前の投稿でも書いたように大まかには以下の段階を踏みます。
- 排卵誘発
- 採卵術
- 受精
- 胚培養
- 移植
移植をするための準備として、子宮内の環境を整えます。
その段階が移植周期です。
採卵後の生理
採卵後は薬剤の影響もあり、私の場合は採卵後5日で生理が再開しました。
担当医からは、「次回の生理が再開されたら受診」と言われているので
生理再開してから受診の予約をしました。
受精確認、そして培養
採卵翌日だったかな、受精確認のメールがHanh Phucから届きました。
メールの内容は
採卵数、成熟卵胞の数、受精卵の数などです。
体外受精IVFまたは顕微受精ICSIによって受精し、培養していきます。
まず培養をしていく上で知っておきたいことの一つ、「培養の段階」について。
受精後約12時間:2細胞
受精後約2日間:4細胞
受精後約3日間:8細胞
受精後約4日間:桑実胚
受精後約5日間:胚盤胞
このように培養の段階を踏みます。
培養していく上での悩み、そして決断
上記のように培養していく訳ですが…
全ての受精卵が胚盤胞に分裂していく訳でもなく…
胚盤胞までの培養を試みたとしても、
胚のコンディションによっては、途中で退化してしまう可能性もある…
どの胚を凍結保存するか、
どの胚を約5日間培養させるか、
そしてどの胚を移植するか、を選択していかなければなりません。
来ました、また人生の大きな選択です。
そうです、ベトナムでの場合かは分かりませんが
少なくとも私の受診した病院では、これらを自分で選択していかなければなりませんでした。
突然午前中に電話が来て、As soon as possible でこれらを決定していかなければならないのです。
培養士や担当医と直接相談したかったのですが、
午前中は生殖の医師は採卵や移植をしていることが多く、
つまり培養士も忙しいです。
なので、直接は相談することはできませんでした。
巡り巡る悩み … ↓
胚盤胞移植はより長期に培養する。
胚盤胞は着床間近の胚。
その胚盤胞を移植することで、妊娠率は上昇。
でも、胚にとっては必ずしも培養の環境が最適な環境とも限らない。
途中で成長が停止、退化したら移植も不可能。
8細胞期の胚から胚盤胞まで成長する確率も低くなってくる。
さあ、どうする?!
そして胚にもグレードがあります。
Hanh Phucでは
・Good
・Fair
・Moderate
で分類されていました。
この胚のコンディションによっても
胚を凍結させるか、培養継続するかの判断基準として私は決断しました。
移植周期の受診
受診は1区のHanh Phuc で可能でした。
私の場合は以下の流れで受診しました。
・生理3日目の受診:経腟エコー、処方
Progynova
生理3日目より使用。
体内で代謝されると、エストラジオールに変化し、子宮内膜を整える。
Oestrogel(エストロゲン)
生理6日目より使用。子宮内膜の増殖に働きかける。
・生理10日目の受診:経腟エコー、採血
採血ではエストラジオールやプロゲステロン値を確認。
・生理12日目の受診:経腟エコー、処方
Crinone varginal gel(プロゲステロン)
生理13日目から使用。
エストロゲンの作用で厚くなった子宮内膜に受精卵が着床するよう整える。
上:Crinone
下:Duphaston
Duphaston
生理13日目から使用。
黄体補充。
以上のような経過をたどり、子宮内の環境を整えながら、移植当日を迎えます。
費用
気になる費用はこちら。
Embryo Freezing:5,600,000vnd(凍結する胚の数によって費用は異なります。)
Blastocyst Culture:8,000,000vnd
Consultation(Follow up):420,000vnd(受診毎に発生)
vaginal ultrasound:250,000vnd(毎回経腟エコーをしたため、受診毎に発生)
Progynova:420,000vnd
Oestrogel:530,000vnd
Duphaston:約430,000vnd
Crinone:約4,400,000vnd
これらは採卵時に支払ったデポジットから徴収されます。
この移植周期は比較的ポジティブに過ごすことができました。
私が怖かったのは主に採卵だったので、それを無事に乗り越えることができてホッとしていたからだと思います。
胚をどこまで培養させるかは、かなり悩みに悩みましたが、それを乗り越えてからはいつも以上に穏やかでした。
採卵周期のように注射もなかったので、身体の負担はそこまで大きいものではなかったです。
もう、培養や移植の結果は神のみぞ知る領域なので祈るしかありませんでした。
自分のできることは心身の体調管理。
もちろん、もし妊娠成立できなかった場合どうするかのことも考えつつこの移植周期過ごしました。
さて、移植はどうなることか…
次回は移植当日のことについて投稿予定です。
※2020年の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。
※治療内容はそれぞれの状態や医師の治療方針によって異なりますので、様々な方法があります。
あくまでも私自身の使用した薬剤や方法についての記載になりますので、ご了承下さい。