2020.10.26

不動産の売買事情

ベトナムでの外国人、外国法人の不動産購入の規制について

2015年7月、不動産事業法・住宅法が一部改正され、外国人による不動産購入の規制が緩和されました。
本記事では、購入主体を以下の3つに分けて、不動産購入に関する規制を解説します。

①ベトナムへ入国可能な外国の個人(外国人)
②ベトナム国内にある外資系のベトナム法人(外国組織)
③ベトナム国外にある外国法人(外国企業)

外国人・外国法人による不動産購入について

外国人や外国企業がベトナムの不動産を購入する場合、購入主体により規制が異なります。
②の外国組織は購入可能ですが、賃貸として物件を貸し出す事ができません。
自己利用(従業員の社宅として利用など)は可能です。
投資目的として購入する場合は、賃貸としてお部屋を貸し出す可能性が高いので、③の外国人が購入する事を推奨します。

外国人・外国法人に対する一部制限について、更に詳しく説明します。

1.住宅所有数制限
コンドミニアムの場合は、各建物の総戸数の30%が外国人・外国組織が所有できる上限です。
外国人による過剰な投資、不動産価格の高騰を防ぐ対策の一つになっています。
一方で、人気物件の抽選会では、倍率が高くなかなか購入ができない状態が続いています。

2.所有期間制限
外国人の場合は、50年間の期間付きですが、更に50年の延長が可能です。
現時点で、50年の保有を考える投資家は少なく、所有期間についてはあまり投資材料として考慮しない投資家が多いです。

3.転売の制限
外国人は、外国人またはベトナム人への売却が可能です。
しかし、外国人はベトナム人から中古物件を購入する事はできません。

また、外国人から外国人への転売については、ディベロッパーによって一部制限が設けられています。
例えばホーチミン市2区にある Masteri Thao Dien というコンドミニアムは外国人から外国人への転売は現在認められていません。
尚、権利証(ピンクブック)発行前の転売もディベロッパーによって制限されるケースもあるので注意が必要です。
ホーチミン市2区の Gateway や、ホーチミン市1区の Vinhomes Golden River は外国人から外国人への転売が行われています。弊社では、日本人、中国人、台湾人間の仲介実績があります。 

同じ物件でも、ベトナム人が売り出している物件と、外国人が売り出している物件では、後者の方が相場は高い傾向にあります。

土地及び、土地付き中古不動産の購入について

①②③いずれも土地及び土地付きの中古不動産を直接取得することは出来ません。
信頼のおけるベトナム人個人、またはベトナムの企業に取得をしてもらう必要があります。
もしくは、②ベトナムにある外資系企業(ベトナム法人)と、ローカルのベトナム法人の双方で出資を行った合弁会社が取得する方法もあります。

例外として、新規の建売プロジェクトで、外国人の取得を認めているものであれば、
外国人で購入可能な物件がありますが、ディベロッパーの信頼度等を入念に調査する必要があり難易度は高くなります。