2021.06.14

【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.5 《人工授精の結果 & 妊娠検査薬・排卵検査薬》

 前回の投稿では、人工授精の実際の流れについて書きました。今回はその後の経過について投稿します。 人工授精後の経過あっという間に人工授精が終わり、帰宅しました。無事に卵子と精子が受精することを願いながら、いつも通りの生活をするように心掛けました。「いかに普段通りの精神状態にするか」が課題でした。しかし、身構えてもストレスになるだけなので、ウォーキング、ヨガ、瞑想など自分のリフレッシュ方法でその後の日々を過ごしました。黄体補充の内服薬 Duphastonは2週間内服を続け、妊娠成立を祈ります。どうなることやら…医師からは「もし予定日までに生理が来なかったら、自分で妊娠検査薬を使ってみてもいいよ。または生理が来たら受診してね。」と言われています。”その日”が近づくたびにトイレに行くのが怖くなります…妊活を始めてから、今まで生理の出血を何度も見て悲しい思いをしてきたからです。 妊娠検査薬ホーチミンでは妊娠検査薬は非常に安価で手に入ります。 値段20,000vnd~25,000vnd  購入できる場所妊娠検査薬はホーチミン市内のコンビニ(family mart・GS25など)や薬局(Guardian・Pharmacity・medicareなど)で売っています。使用方法は1.付属のカップの1/3 程度の尿を入れる2.妊娠検査薬のスティックを尿に30秒〜1分かざす3.尿からスティックを取り出し、5分後判定大体の流れはこんな感じ。詳しくは付属の説明書を見て使用してください。 排卵検査薬排卵検査薬もホーチミンに売っています。生殖外来を受診する前に使用していました。↓ 箱の中身はこんな感じです。排卵検査薬はコンビニでは見つけることはできず、薬局で購入しました。私の場合、排卵検査薬はmedicareで購入したのですが売り切れになっていることが多く、同じく妊活している人がいるのかな…と勝手に心の支えになっていました。 人工授精の結果…  結果はというと…       …    ……  今回の人工授精では残念ながら授かることはできませんでした。あっけなく初めての人工授精は終了しました…妊娠検査薬をするまでもなく、次の生理が来て、「ああ、また来たよ…」と無念でした。不妊治療をしている人は思う感情かもしれませんが、生理が来るたびに深いため息が出ます…本当…身体的にも、精神的にも、経済的にも参っちゃいますよね。まず今回は人工授精1回目なので、まだ次のプランが自分たちの中にあるので、比較的そこまで落ち込む暇もなく次のクールへと私たちは進みました。  ※2020年の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。※治療内容はそれぞれの状態や医師の治療方針によって異なりますので、様々な方法があります。あくまでも私自身の使用した薬剤や方法についての記載になりますので、ご了承下さい。 「ホーチミンで不妊治療」ブログ一覧はここをクリック

2021.06.07

【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.4《人工授精 実施編》

 今回は人工授精の流れについての投稿です。人工授精までの経過については前回の投稿をご覧下さい。【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.3《人工授精 準備編》 人工授精当日の流れ大まかな流れは以下の通りです。 午前中、夫が病院を受診して精子を提出 午後、妻が受診 血圧測定 人工授精前にお会計 人工授精 約30分くらい横になって安静 処方を受け取る 帰宅午前中は夫の受診。採取した精子を洗浄・濃縮させて元気な精子を人工授精で使用します。そして午後は私の受診。当日はなぜかあまり緊張しなかった覚えがあります。もうここまで来たら神頼み… いざ人工授精!お会計を済ませたら、名前を呼ばれるまで待合室で待機です。「Ms.○○」とスタッフが名前を呼びます。いつも経腟エコーを見ている診察室とはまた違う処置室で行います。処置室に到着したら、夫の名前と私の名前の確認をします。これは基本的なことであり、非常に大事な確認ですね。夫の採取した精子の検査結果(精子の量や運動率など)を紙面上で確認し、「Patient's signature」の欄にサインします。処置台はこんな感じ。いつも経腟エコーをしている椅子とほぼ同じですね。ショーツを脱ぎ、この椅子に座るようにナースから言われます。  そして、生殖の主治医が処置室に入り人工授精を行っていきます。医師がクスコという器械を膣の中に挿入し、細いチューブ(カテーテル)を入れていきます。そのカテーテルを通して精子を子宮内に注入する流れです。人工授精はとてもシンプルな処置なので、ものの5分程度で終了します。「あれ、もう終わったの?!」と感じる方も多いはず。人工授精が終わったら、医師が「Good luck!」と言って処置室を退室しました。その後30分くらい処置室で横になっているようナースから言われ、自分1人だけになります。↑その時の風景がこんな感じ。そしてこの処置室にはナースコールがありません。もし体調悪くなったらどうすりゃいいんだ!?と思いました。さすがベトナム…ちなみに廃棄物はきちんとこのように分類されています。この辺はちゃんとしていますね… 処方薬人工授精した後は薬局のある「G階」へ行き、薬の会計をした後に薬を受け取ります。処方された薬がこちら↓Duphaston(dydrogestoron)黄体補充の内服薬です。2週間内服します。 人工授精にかかった費用そして気になる費用はこちら↓ Sperm preparation: 750,000vnd IUI(AIH): 2,100,000vnd Duphaston(dydrogestoron): 約430,000vnd人工授精は終わったので、無事に受精・着床することを願うのみ…次回はその後の経過について投稿予定です。 前のブログで書き忘れたのですが、人工授精などの不妊治療を行う場合は「婚姻証明書」が必要になります。申請の流れは以下の通りです。 日本で戸籍謄本を発行 日本から戸籍謄本をベトナムに送ってもらう 戸籍謄本をホーチミン領事館へ持っていき、結婚証明書の申請をする 数日後ホーチミン領事館で婚姻証明書を受け取る夫婦であることの証明が必要ということですね。 ※2020年の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。※治療内容はそれぞれの状態や医師の治療方針によって異なりますので、様々な方法があります。あくまでも私自身の使用した薬剤や方法についての記載になりますので、ご了承下さい。 「ホーチミンで不妊治療」ブログ一覧はここをクリック

2021.06.06

【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.3《人工授精 準備編》

 前回の投稿【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.2《検査編》では、治療前の検査について記載しました。今回は「人工授精」について投稿していきます。Hanh Phuc病院で経験した内容になります。 人工授精って?簡単に言うと、採取した精子を子宮内に人工的に注入することです。AIH(Artificial Insemination with Husband's semen)IUI(intrauterine insemination)とよく略して言われます。Hanh Phucでは「IUI」とよく言っていました。最初はタイミング法を試したのですが、うまくいかなったのでステップアップして、人工授精に挑戦することを決意しました。決意するのには本当に勇気が必要でした…海外で治療することは不安が多かったので。でも、日本にいる助産師仲間に相談をしてやりとりをする中で、助けられながら決意できました。 受診の流れ決断をしてから突然人工授精するのではなく、人工授精を行う日の数週間前から、子宮内の状態を整えたり、卵胞成長をコントロールしながら行います。スケジュールは下のようなイメージです。 治療を試みる月の生理が来たら、受診予約をする。 1回目の受診 2回目の受診 3回目の受診 人工授精当日大まかには以上のような流れでした。人工授精までに3回の受診をしました。受診時には経腟エコーにて子宮内膜の状態や卵胞発育状態を確認します。必要に応じて内服薬や注射がありました。内診台のところにはカーテンの仕切りはありません。日本の産婦人科でも仕切りがある施設、無い施設があります。私個人としては、カーテンの仕切りが無い方が医師が何を処置しているのか、どんな動きをしているのか把握できて安心できました。逆に仕切りがある方が安心できるという意見もあると思いますが、人それぞれの感じ方ですよね。 必要書類人工授精のような不妊治療を行う場合は「結婚証明書」が必要になります。申請の流れは以下の通りです。 日本で戸籍謄本を発行 日本から戸籍謄本をベトナムに送ってもらう 戸籍謄本をホーチミン領事館へ持っていき、結婚証明書の申請をする 数日後ホーチミン領事館で結婚証明書を受け取る大事な手術を行うには夫婦であることの証明が必要ということですね。 処方された薬子宮内膜や卵胞成長具合により、薬の処方がありました。 Femara(retrozole)錠剤の内服薬です。卵胞成長を促します。 diphereline(triptorelin)自然排卵を抑制しながら、卵胞の発育を調整します。これは皮下注射になります。ちなみにインスリンの自己注射も皮下注射ですね。 処方薬ですが、治療を行う上で時間指定のある薬なので、自宅で自己注射を行いました。これ…自分に自分で注射するのは一呼吸必要でした。人への採血や注射は今まで助産師勤務をしていたので慣れていましたが、自分にやるのはまた違う感覚があって、正直言って怖かったです…薬が入っている容器(アンプル)をカットするのも初めてやる人にとっては勇気が入りますよね。 そして、注射の針や薬の入っている容器など医療廃棄物は病院へ持って行く必要があります。マンションのゴミ箱とかに捨ててはダメです! それぞれの費用そして気になるのが費用面…子宮内膜や卵胞の状態を把握するために何度も受診が必要なので、財布が痛いですね。 受診料:420,000vnd 経腟エコー:250,000vnd Femara:約940,000vnd diphereline:約470,000vndうーん、まあまあな値段しますよね。本当、不妊治療はお金が掛かる…今回は人工授精の大まかな流れについて記載しました。 次回の投稿では、人工受精の当日の詳細を記載します。 ※2020年の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。※治療内容はそれぞれの状態や医師の治療方針によって異なりますので、様々な方法があります。あくまでも私自身の使用した薬剤や方法についての記載になりますので、ご了承下さい。 「ホーチミンで不妊治療」ブログ一覧はここをクリック

2021.06.02

【助産師のブログ】ホーチミンで不妊治療 ver.2《検査編》

 不妊治療を実施できるベトナムの病院のひとつに「Hanh Phuc病院」があることを前回の投稿で記載しました。前回ブログ【助産師のブログ】ベトナム・ホーチミンで不妊治療 ver.1《ハンフック病院の紹介》↑ 1区のHanh Phuc内のFertility入り口今回は治療をする上で必要な検査段階の話をします。 不妊の心配をしたことがある夫婦の割合国立社会保障・人工問題研究所の調査によると、日本の夫婦の35%、つまり3組に1組はなかなか子供ができず不妊の心配をしたことがあるというデータが出ているようです。意外と多いな…と感じる方が多いと思います。なかなか不妊で悩んでいる、とは言いにくいですもんね。相談できないだけで、悩んでいる方が多いと思います。そして、「若いから大丈夫」「病気をしたことがないから大丈夫」というのはよくある誤解です。ですから、夫婦で家族計画について話し合う時間を作る事が理想です。 不妊の要因「不妊症で悩む夫婦のうち、どちらに要因があるか」というWHO(世界保健機関)による、ある調査では男性のみが24%女性のみが41%男女共が24%原因不明11%というデータも…。決して女性だけの問題ではないのがデータから読み取れます。不妊治療となると、男性側は「女性側の問題」と考えてしまい、しばしば夫婦間で温度差が生じます。しかし、新しい家族の誕生を願うのであれば夫婦で検査することをお勧めします。そして、夫婦で治療の方向性を決めていくべきです。 Hanh Phucでの検査の流れまず大まかな受診の流れは以下です。 血圧測定 書面での問診 生殖医療の医師と相談 経腟エコー 会計 血液検査(男性の場合加えて精液検査)私の場合、受診時はWellBeの通訳サービスを利用していました。通訳さんにベトナム語から日本語に通訳してもらいながら相談をしました。他にもこのWellBeのサービスを利用して受診されている日本人は多くいらっしゃいました。 検査内容・費用検査内容だけでなく、費用面も気になりますよね。不妊治療は保険適応では無いので…全額自己負担です。  女性 経腟エコー 血液検査           約4,240,000vnd男性 精液検査 血液検査          約2,500,000vnd血液検査があるので費用は高めですね…特に女性の場合、採血検査項目に AMH(抗ミュラー管ホルモン) プロラクチン 甲状腺機能も含まれているため値が張りますね…検査項目によって値段は異なるのですが、特にこれらは金額が高いです。精液検査は結果が出次第、メールで送られてきました。この検査結果内容と卵胞の発育状況をみながら医師と治療方針を立てていきます。 では、次回は実際の治療について投稿していきます。※2020年の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。 「ホーチミンで不妊治療」ブログ一覧はここをクリック

2021.05.29

【助産師のブログ】ベトナム・ホーチミンで不妊治療 ver.1《ハンフック病院の紹介》

 ベトナム・ホーチミンの不妊治療の情報をインターネットで検索しても情報量は限られています。不妊治療は繊細な内容があるため、人に相談しずらい事も多いです。不妊治療を検討しているものの、その進め方について悩んでいる方へ少しでも情報の足しになればと思い、私自身の経験を共有します。このブログはベトナムのホーチミンで不妊治療を経て、妊娠に至るまでの経緯を記しています。 治療方法治療方法は大きく3段階あります。① タイミング法② 人工授精(AIH / IUI)③ 体外受精 顕微受精医師と相談しながら状況によりステップアップしたり、ステップダウンします。 受診先受診先はHanh Phuc international hospital1区とBinh Duong には不妊治療を扱っている生殖(不妊)外来「Fertility」があります。 1区のHanhPhuc の住所はこちら↓ 1区で実施できる相談・治療は①タイミング法②人工授精 Binh Duong のHanh Phucの住所はこちら↓  本院があるBinh Duongでは全ての相談・治療を実施可能です。 ちなみに2区のショッピングモール「Estella Place」の5階にもHanh Phuc 病院がありますが産婦人科と小児科のみで「Fertility」はありません。 1区のHanh PhucG階:薬局1階:産婦人科2階:小児科6階:生殖外来でした。3階から5階はリノベーション中とのこと。なにができるんだろう…ちなみに1区のHnnh Phucの近くにはベトナムの産婦人科病院で有名な「Tu Du病院」もあります。Fertility のある6階へベトナム人や日本人、欧米人の受診者もいらっしゃいました。スタッフは英語もOK!会計のお姉さんは日本語の勉強中らしく、少しだけ日本語を話す時もありました。妊婦さんも時々見かけて、なんで産科ではなく生殖外来?と思いましたが、不妊の相談をした時から妊娠後の妊婦健診もずっと同じ医師に診てもらうこともできるから、とのことでした。つまり、妊娠後はそのまま生殖外来の医師に診てもらうか、または、産科の医師に診てもらうか選択できるようでした。 …では次回から治療内容について投稿していきます。Covid19の影響でなかなか帰国できず、ホーチミンで不妊治療を決断する方も少なくないかと思います。気になる方はこちらのブログを参考程度にチェックしてみてくださいね!※当時の情報になりますので、最新情報とは異なります。ご了承下さい。「ホーチミンで不妊治療」ブログ一覧はここをクリック